Yamada Takayuki News - 山田孝之

Saturday, July 26, 2003

ウズベキスタンロケを経て、遂に完成!
「ドラゴンヘッド」完成会見&舞台挨拶


2003年7月29日


<左から 藤木直人さん、SAYAKAさん、妻夫木聡さん、山田孝之さん、飯田譲治監督>
累計販売部数650万部以上、その終末的な世界観が多くのファンをひきつけてやまない、望月峯太郎の「ドラゴンヘッド」。このベストセラーコミックが、「NIGHT HEAD」などで世間の話題をさらった飯田譲治監督の手により映画化され、ついに完成の日を迎えました。
本作は日本初の全篇ウズベキスタンロケを敢行。広大かつ乾いた大地に渋谷駅ハチ公口全長150メートルがそのまま再現され、前代未聞の壮大なスケールで撮影が行われました。

去る7月29日(火)、主演の妻夫木聡さん、SAYAKAさん、そして藤木直人さん、山田孝之さん、飯田譲治監督、プロデューサーの平野隆氏による完成会見が行われ、それぞれ作品に対する意気込みを語っていただきました。

ここではその模様をお伝えいたします。


ストーリー
修学旅行帰りの高校生青木テル (妻夫木聡)を乗せた新幹線は原因不明の事故に遭遇し、静岡のトンネル内に閉じ込められる。テルの他に、同級生の瀬戸アコ(SAYAKA)と高橋ノブオ (山田孝之)だけが奇跡的に生き残る。3人は救助を待つものの、ノブオは暗闇の恐怖に飲み込まれ、狂気に走っていく。一方、テルとアコは襲いかかる闇の恐 怖から逃れ、トンネルから脱出。しかし、地上で二人を待っていたのは荒廃しきった大地だった……。一体何が起こったのか? 天変地異なのか? 核爆弾なの か? タイムスリップなのか? 絶望と希望が交差しながら、2人は東京を目指す。


完成会見


妻夫木聡さん(青木テル役)
Q:テルを演じるにあたり、気をつけたことは?

2カ月のウズベキスタンでの撮影ということで、気持ちの維持を念頭に置きました。とはいえ、何をしたというわけでもない のですが……変わり果てた風景に呆然としながらも、様々な人間の狂気に触れるという、心理的には極限状態が続く設定だったので、その気持ちを維持するため に集中力を高めたままにしておくよう努力しました。



SAYAKAさん(瀬戸アコ役)
Q:日本映画は初出演ですが、アコを演じるにあたり気をつけたことは?

原作のファンだったので、出演できてうれしいです。撮影中は、他人に頼りきりだったアコの性格が、旅を通して変化していくという、その心の動きに気をつけました。



藤木直人さん(仁村役)
Q:今回は精神的にもかなり危ない役柄でしたが、感想は?

初めはとても戸惑いましたが、仁村はある意味とてもまっとうな人間……天変地異で変わり果てた世界を受け入れ、順応しようとした人物なのかなと思い、演じました。



山田孝之さん(高橋ノブオ役)
Q:山田さんが演じた高橋ノブオは、天変地異から生き残った挙句に狂気に走ってしまうという役柄ですが、気をつけた点は?

もともとは普通の高校生なんだということを意識し、ただの狂人に見えないように気をつけました。



平野隆氏(プロデューサー)
Q:プロデューサーとして気をつけたことは?

この作品は1999年から企画を開始し、結局5年間かかりました。一番大変だったのは企画で、「何をテーマにするか」と いう話し合いをたくさんしました。当時1999年だったので“世紀末”だったわけですが、世紀末同様、現在も混沌とした世の中は続いているわけで、結局は 「生きる」ということを問うことができる作品にしたいと思いました。
撮影に関してですが、この規模の映画を日本で撮影することは不可能だと思い、試行錯誤しました。ただキャスティングに関しては反対に苦労しませんでした。 まさにイメージ通りで、皆さん、早いリアクションをしてくださって、出演の許諾を得ることができました。ここに並んでいる方以外にも、ウズベキスタンロケ でのスタッフも含めて本当にたくさんの人々が携わり、まさに力の結晶ともいえる作品です。



飯田譲治監督
Q:この映画のテーマについて

今、 東北でも大地震が起こっているように、明日何が起きてもおかしくないような状態です。戦争が始まってもおかしくありません。そんな状況が起こったとき、人 間はどのようになるのか、どんなことをしてしまうのか……この作品は突拍子もないSF作品ですが、よりリアルに近づけたつもりです。この作品を観ること で、「こんなことも起こり得るんだ」という1つの事例として見ていただければ、この作品の存在意義があるかと思います。




【 質疑応答 】

Q:撮影中、監督はキャストの皆さんにハイテンションな演技を求めたそうですが、そんな監督についてキャストの皆さんの感想は?

妻夫木さん:
僕は監督とは初めてのお仕事になりますが、監督のことをずっと“オタク”だと思っていました。でも実際会ってみたら印象が全然違いました。初対面からなじみやすかったです。でも撮影になると……“熱い人”でしたね。

SAYAKAさん:
長編映画は初めてですが、監督に対しては「怒られる」というイメージが強くて、緊張していました。でも初対面から気さくに話しかけてくださいました。ただ演出面では妥協を許さない方でした。それに応えられているといいな、と今は思います。

藤木さん:
監督の過去の作品はおどろおどろしい作品が多かったので、「怖い監督なのでは」と思っていたのですが、実際は笑いの絶えない、飄々とした人でした。

山田さん:
監督とはとても仕事がしやすかったです。ただニ重人格ですね。普段はニヤニヤしているんですが、撮影に入るところっと変わるんです。

Q:本作を観た感想を聞かせてください。

妻夫木さん:
まだ1度しか観ていなくて、最初は自分の演技ばかりが目についてしまい、客観的には見れないのですが、まず「すごい!」と思いましたね。「ドラゴンヘッ ド」という世界観がにじみ出てくる映像、そしてスケールの大きさに驚かされました。「これぞエンターテインメントだ」といった感じです。

SAYAKAさん:
3回観ましたが、とにかくCGがすごいです。スクリーンから臨場感が溢れ出てくるといった感じです。

藤木さん:
ストーリーの中に、普通にCGが入っているんです。わざとらしさがないという意味ですごかったですね。天変地異が起こった状態がとにかくリアルでした。

山田さん:
CG、それから映像のスピードが早くて、面白かったです。自分の演技を見ても、ウズベキスタンだからこそあの精神状態を演じることができたのだと思います。

Q:実際に天変地異を目の当たりにしたらどうしますか?

妻夫木さん:
まず新幹線の中で死んでますね(笑)。もし生き残ったとしても、防衛本能が働いてスーパーマーケットで武装できるものを奪うと思います。

SAYAKAさん:
今回の出演で、実は新幹線が嫌いになってしまい、特にトンネルに入ると今でも怖いのですが…私だったら、ただただ絶望に浸ってしまうと思います。

藤木さん:
実はウズベキスタンでホームシックになって、自分の精神的な脆さをを思い知りました。もし僕があのような状態に置かれたら、ノボルのように顔にペインティングしてしまうかも知れません(笑)。

山田さん:
まず外に出ようとしますね。外の惨状を見て、諦めます(笑)。

Q:ウズベキスタンをロケ地に選んだ理由を教えてください。

平野プロデューサー:
この規模の映画を日本でやろうとすると30億円ぐらいかかるんです。また、東京ではあまりにも文明化されすぎていて、「ドラゴンヘッド」の世界を再現でき ません。ということで海外でも治安の良いところ、天候の良いところというふうに候補地を選択していき、最終的にウズベキスタンになりました。

Q:ウズベキスタンの印象を聞かせてください。

妻夫木さん:
とにかく食べ物が合わなかったです。イタリアンもあるんですが、すべてウズベキスタン風なんですよ(笑)。パスタがフォークに絡まずに落ちてしまう、といった具合でした。

SAYAKAさん:
ウズベキスタンという国は想像もつかないところでした。でも着いてみたら思ったより都会でしたね。砂漠のようなところをイメージしていたので、驚きでした。

藤木さん:
行く前は、「(地図上では)アフガニスタンの上」ということしか知りませでした。でも行ってみるとテレビがあったりと、意外に普通でしたね。とにかく物価が安くて驚きました。

山田さん:
海外は初めてだったので良く分からないことばかりでしたが、ウズベキスタンは治安も良くて想像していたより良かったです。ただ食べ物はきつかったです。



【 完成披露試写会 】


<熱気で溢れかえった渋谷公会堂前>
会見後、同所で行われた舞台挨拶付き完成披露試写会には、2日前の27日夜から約80名、前日28日からは約150名もの徹夜組が出るなど、試写会としては異例の盛況ぶりで、舞台挨拶も大いに盛り上がりました。


Q:今日を迎えた心境は?

妻夫木さん:
高校生のときから原作を読んでいて、ファンでした。映画になることはおろか、主役をやることになるとは思ってもみませんでした。とてもうれしいです。

Q:ウズベキスタンロケはいかがでしたか?

妻夫木さん:
撮影には好条件の土地で、「ドラゴンヘッド」の世界観……荒涼とした感じと通じる部分がありました。だからこそ極限の精神状態を演じることができたと思います。

Q:仁村という役は、自分と比較して演じていて難しくなかったですか?

藤木さん:
戸惑いもありましたが、自分の中にも置かれた状況をクールに分析する面がきっとあるだろうなと思い、それを引き出そうと思いました。

Q:高橋ノブオという役柄はいかがでしたか?

山田さん:
ずっとこういう役をやりたいと思っていました。撮影中は毎日プレッシャーとの戦いでしたが……。

Q:個性的な俳優さんに囲まれての撮影はいかがでしたか?

飯田監督:
1人1人魅力的ですね。こうしてここに立っていることがとても幸せです。撮影中はとても濃密な時間を過ごすことができました。

Q:主題歌はMISIAさんが担当されているそうですが?

飯田監督:
本作に共鳴して曲を作ってくれました。タイアップという形ではなく、あくまでサントラとして彼女の声を使っていきたいと考えていました。オープニングとラ ストに彼女の声が使われています。僕自身の感想としては、エンディングテーマを聴いたとき、「この作品の一部になっているな」と感じました。是非最後まで 席を立たないでくださいね。


<会場からの熱い声援に、やや驚き気味のキャスト・スタッフの皆さん>



「ドラゴンヘッド」はいよいよ8月30日より
全国東宝系にて超拡大ロードショー!