|
|
累計650万部にのぼる望月峯太郎の人気コミック「ドラゴンヘッド」が、人気スターの妻夫木聡とサラブレッド・アイドル、SAYAKAを迎えて完全映画化。彼らは新幹線の事故に遭い、荒廃しきった都市を極限状態でさまよう少年と少女を、体当たり演技で熱演している。
そんな本作で、全編ウズベキスタンのロケを敢行し、圧倒的なスケールで原作の世界観を再現したのは、「らせん」(’98)や「アナザヘヴン」(2000) の飯田譲治。そこで7月29日(火)に、妻夫木聡、SAYAKA、藤木直人、山田孝之といった主要キャストに、飯田監督、平野隆プロデューサーらによる完 成披露記者会見が行われた。
今回の役作りについて妻夫木聡は「極限状態が続く中で、僕が扮したテルはいろんな感情を表現しなければいけなかったから、その気持ちを維持する集中力をもつことが最優先でした」と語った。
また、原作のファンだったというSAYAKAは「原作では私が演じたアコが極限状態で、テルといっしょに生き抜いていき強くなっていく過程が描かれていたので、実写になってもそういうところを表現したいと思いました」と力強くアピール
エキセントリックな自衛官・仁村を演じた藤木直人は「今まで演じたことがなかったような役柄だったので、とまどいはありました。でも、実際に変わってしまった世界をいちばん先に受け入れたのは仁村だと思ったから、その観点から演じてみました」とクールに言った。
精神的に追い詰められ、狂気へと走るノブオ役を怪演した山田孝之は「ただの狂った人ではなく、彼も事故に遭うまでは普通の高校生だったことを悟らせるように演じようと思いました」と語った。
また、ウズベキスタンでの撮影について妻夫木聡は「イタリアンなどの料理もあったけど、パスタがパサパサだったりしました(笑)」と語ったが、食事はかな り不評だったのか、キャスト陣がみな顔を見合わせた。また、SAYAKAは「ホームシックになったけど、帰りたいというのが嫌だったので、電話をするのを 我慢していました」と気丈な面をアピール。ちなみに演技について、聖子ママからは特にアドバイスをもらわなかったとか。
飯田譲治監督 は、この映画のテーマを“天変地異”だと解釈したという。「今やもう何が起こってもおかしくないご時世だ。映画は突拍子もないSFですが、中に出てくる人 間が極限状態でどんなふうに動くかという点に関しては突き詰めて1本の作品にしたつもりです。この作品をひとつの事例として、また擬似体験としてのデータ にしていただければ、この映画が公開される意味があると思いました」 そんな気合いの入った1作をぜひ劇場で観てみたい。
(取材・文/山崎伸子) |
| |