【動画・独占インタビュー】
妻夫木聡&SAYAKA主演の世紀末映画「ドラゴンヘッド」がDVDリリース! 飯田譲治監督を直撃! |
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「ウズベキスタンでの撮影は、監督をしていく上での意識改革になりました」
2003 年夏に公開された望月峯太郎の人気コミックの映画化作品「ドラゴンヘッド」が、いよいよ2月28日にDVD&ビデオ・リリースされる。本作は主演に妻夫木 聡とSAYAKAを迎え、ウズベキスタンでロケを行った話題作だ。そんな超大作で世紀末的な世界観を壮大なスケールで描き出した飯田譲治監督に、独占イン タビューを決行した。 原作が根強いファンをもつベストセラーだけに、メガホンをとるにあたって、当初はかなりプレッシャーがあったという。ウズベキスタンでのロケに加え、全10巻の膨大なボリュームのコミックを2時間の尺に抑えるは至難の業だったのではないだろうか。 「どうなるかは誰もわからないという感じだったので、プレッシャーはもちろんありましたが、その分楽しみも大きかったです。それに絵のディテールは相当コミックに書き込まれていたので、助けられました」 でも監督は原作物を映画化するにあたって、これほど原作者と話す時間を長くもったのは初めてだったという。 「思 い入れも相当強かったでしょうし、脚本については僕がまだ参加する前から何度も話し合いがもたれ、その後意見を交換し合いながら3年間くらいかかって作り ました。とてもこだわりのある方ですが、実写化することにOKを出してくださったこと自体がすごいことだと思いました」 また、ウズベキスタンでの撮影が可能だったからこそ、この映画が成立したともいえる。撮影のエピソードを語るメイキングは実に興味深い。 「ハ リウッドの映画では、車をひっくり返して置くなんていう撮影はよくあると思うけど、日本でロケをする場合、それだけでも大騒ぎになるんです。実際に撮ると なったら本当に大がかりな道具が必要だし、まずどこでロケが可能かというところから始まる。でもウズベキスタンでやることによって、そういう点はすべてク リアになっていたので助かりました。現地のスタッフとのやりとりも大変だったけど、いろんな意味で監督をしていく上ではすごく意識改革になった撮影でし た」 |
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「いつも前例のないものを作りたいと思っています」
監督のメガホンのもとで大健闘をしたのが、主演のふたりだ。2003年は本作の他、「ジョゼと虎と魚たち」「さよなら、クロ」など、良質な作品で立て続けに主演を果たしてきた妻夫木聡と、なんと本格的な映画は初出演だったというSAYAKAである。 「妻夫木が主演というのは異論のないキャスティングでした。役者をやっていても今回のようなロケなんてそうそう経験できることじゃない。彼はプロ意識もあるし、SAYAKAを最後まで引っ張ってくれましたね」 今回彼は、ヘリコプターを使ったアクションなど、本当にハードなアクション・シーンをたくましくこなしている。体を動かすことが好きだとメイキングの中で語っていたが。 「アクションでは相当身体に負担がかかったと思うけど、妻夫木は頑張ってくれた。役者ってある程度フットワークが軽くないといけないと思ってます。やはりそういう力がないとだめですね。 演技に関しては、彼ってある意味すごく不器用なところがあるんです。でも、だからこそ主演に向いている。すごく自分の気持ちに沿って素直に演技をするタイ プなので、たとえば悲しいとか辛いとか、内側からの感情に素直に演技をするタイプなので、リアリティが出るんです。今回は本当に彼の力量を発揮してくれま した」 そして、ヒロインのSAYAKAも今回は精神的に追い詰められる演技や同じく過酷なアクションにトライしている! 「SAYAKA については、1年前に観た短編の『おはぎ』(2002)の印象がすごくよかったので、キャスティングしました。すごく役者としていいオーラを持ってる子だ なって思ったんです。いちばん重要だったのが、2ヶ月間外国ロケをする映画の主演を張れるかどうかという点でした。それで実際に会って話をした時に、いい 意味でも悪い意味でも自分の置かれた環境がわかっているなって思ったんです。彼女はどんな子よりも、芸能界で生きていかなければいかないという使命感を もっている子ですから。彼女にはそれに立ち向かっていく強さがあるんです。実際に本人は相当きつかったと思いますよ。でも人生にとってプラスになる経験に なったのは間違いないでしょうね」 もちろん役者だけではなく、スタッフ・キャストにとっても、この映画で高いハードルを越えた経験は今後のキャリアの糧になることは間違いない。監督は自身のモチベーションについてこうも語っていた。 「いつも前例のないものを作りたいと思っています。作る前から完成品が見えているような作品は撮りたくないんですよ。それは決して奇をてらったものという意味ではなく、いつも新しいものに挑戦したいと思ってます。新しい自分の価値観を表現したいんでしょうね」 確かに飯田譲治という名を世に知らしめたテレビドラマ「NIGHT HEAD」(’92~’93)しかり、映画「アナザヘヴン」(2000)しかり、監督は常に新しい表現というものを模索してきたようにも思われる。斬新な 素材との出会いこそが、監督のパワーの原動力といえるのかもしれない。そんな本作の見どころについてはこう語ってくれた。 「等身大の高校生から見た世紀末の世界を描いた疑似体験映画のつもりで作りました。スーパーマンも出てこないし、テレビやラジオもないという究極に追い込まれた状況で果たして自分ならどうするかと考えてみてほしい。そういう新しい視点でぜひ観ていただきたいです」 ちなみにDVDでは、エネルギッシュな監督のロケ現場の舞台裏がばっちりとわかるメイキング映像やキャストのインタビューなどが特典映像として収録されている。ぜひそのパワーに触れて、映画を2倍堪能していただきたい。 (取材・文/山崎伸子) |