Yamada Takayuki News - 山田孝之

Friday, February 04, 2005

冬の連ドラどれがイイ? 記者座談会 後編



 気になる1位は? 先週に引き続き、冬の民放連続ドラマ初回試写座談会の後半をお伝えします。「久々に秀作ぞろい?」との期待を胸に後半試写に臨みましたが、果たして結果は?



「ごくせん」ヤンクミ(仲間由紀恵)の実家は、任きょう集団大江戸一家

  じゃじゃーん、結果発表です! 1位は「ごくせん」でした。

  仲間由紀恵はこういうコメディーに向いているなあと痛感。

  韓国でも人気なんですよね、このドラマ。ヤンクミで「日流」ブームだ!

  ちょっと照れくさそうにタンカを切る姿にうっとり☆ 笑ってスカッとさせて最後はホロリ。掛け値なく家族そろって楽しめるドラマですね。

  とにかくテンポが良くて面白い。見ながらヤンクミと一緒に心の汗を流しまくりました。私も先公なんて信用しねぇと長らく思いながら過ごしたクチなので、チョー感動。どうしようもない先公が多かったのが中学。暴走族が校庭で……。

  誰か彼を止めて!

  失礼しました。ですから、言葉で責められれば燃えるM男としてはヤンクミに思いっきりしかってほしいと思ったわけです。

さわやか健全 臭さは狙い?

  「H2」は5位で、評価は割れました。

  昨年はプロ野球中継の視聴率が振るわず、テレビ局は少年ファンを増やすなどのすそ野拡大が急務。その意味でありがたい作品。

  抑えるべきところを抑え、丁寧に描いているからカタルシスが得られる。予想を裏切らず、裏切るべきところで裏切ってくれるからおもしろい。ちょっと天然入ってる「ドジ娘」の石原さとみが良いなあ。

  あまりにさわやかで健全で格好良いのだが、かえって臭さを感じる。

  そこは演出の堤幸彦の狙いでは? でも、「木更津キャッツアイ」のような独自の世界観を打ち出してほしかったかな。

  「みんな昔は子供だった」は、またも「脱・都会暮らし」をそそるドラマ。

  子どもたちだけでなく、農村ならではの閉鎖性もしっかり描いてくれると信じて★★です。

  テーマはいいが、テンポが冗漫じゃないか? ヒロインの過去をもう少し見せたほうがよかった。

  説明的、懐古的な映像で、初回から老成した感じの作品だ。

怪しい雰囲気がプンプンの「富豪刑事」

  9位は「不機嫌なジーン」「富豪刑事」が並びました。

  「不機嫌」は、内野聖陽だけが役者らしさを見せ、散漫な物語を引き締めようとしているが、ほかの面々がスカスカ。

  「浮気は遺伝子」論が広まればうれしいな、とも思うけど、こんなに簡単に学生に手を出す教授は懲戒免職もんでしょう。

  本命を成就させてから浮気を語ろうね、「井」君。でも、浮気も遺伝子のせいにする利己的遺伝子論って古くない?

  アニメなどを使った遊び心が心地よく、噴き出すことも。男女の機微を描き、一方で、次も見たいというドキドキ感がない。

  各人物はユーモラスで存在感あるのに、何で面白くないのか。挿話されるアニメも滑っている。

  恋するまでのプロセスが省略されて、いきなり恋愛状態の様々なサンプルが列挙されている感じで軽薄。その分、場面設定もエキセントリック。

  「富豪」は、さすが「トリック」のスタッフが制作したというドラマ。怪しい雰囲気に満ちている。

  おたくとしては「デカレンジャー」の載寧くんに期待です☆

手堅く小粒な 作品そろった

  「福」ちゃん、守備範囲広い……。全体には手堅かった。「優しい」「みんな」など、地方を舞台に人間をじっくり描こうとするフジの勇気に驚いた。

  小粒がそろった。その中で、続編ながら、震災に焦点を当てた「救命病棟24時」の意欲的な取り組みを評価したい。ただ、他の作品も同じだが、セリフ過剰の感がある。演技を通じて空気感を伝えるようにしてほしい。

 一同 同感!

(2005/1/27 読売新聞 )