Yamada Takayuki News - 山田孝之

Saturday, April 09, 2005

「電車男」武田真治で舞台化



 インターネットから発生し55万部を売り上げた物 語「電車男」(新潮社)が、映画化に続き、舞台化されることが決定した。8月5~27日に新宿・パークタワーホールで上演されるもので、主演は武田真治 (32)。脚本・演出を手がけるのはドラマ界のヒットメーカー・堤幸彦監督(49)。現代のネット社会から誕生したストーリーが、独特の演出で生身の人間 演じる舞台となって生まれ変わる。

 「電車男」は、インターネットの掲示板「2チャンネル」の書き込みから始まった実話。アニメオタクで童貞の青年が、電車内で酔っぱらいにからまれた年上の女性を助けたことから知り合いになり、ネットで“もてない男”の仲間たちに相談し、恋を成就させていく。

 匿名で不特定多数が書き込む「掲示板」では、ひぼう・中傷なども多い。しかし「電車男」の件では多くの人が温かく純愛を見守り、大きな話題に。昨年出版された本はベストセラーとなり、6月4日には映画が公開予定と一大ブームを巻き起こしている。

 舞台では原作の雰囲気を忠実に形にするため、電車男と助言する仲間たちが、それぞれパソコンの前で原稿を読んでいる設定。舞台後方のスクリーンにはコンピューターの画面などが映し出され、映像との融合で堤監督の手腕が発揮される。

 また電車男の恋の相手「エルメス」は、舞台上には姿を見せない。企画・製作のホリプロによると「観客の方の想像力を働かせてもらいたい」と声のみの出演。声だけだが大物女優の出演が決まっており、名前は初日まで非公開。

 さえないオタクを演じることになった武田は「マネジャーに“ぴったり”と言われ、戸惑いはありました。しかし、電車男が成長していく姿をぜひやらせていただきたいと思いました」と語っている。“アキバ系”と言われる電車男の風ぼうをどう表現するかも見どころだ。

 堤監督は「武田は素直なシャイな部分の中に熱いものを持っている。舞台化の話を聞いて、すぐにプランが頭に浮かんだ。原作の力を借りて、自分なりの作品に」とコメントしている。
[ 2005年04月09日付 紙面記事 ]