Yamada Takayuki News - 山田孝之

Friday, September 30, 2005

スタートライン~涙のスプリンター~
2005年12月17日よる放送

スタートライン
左から、須賀健太、時任三郎、山田孝之、鈴木杏、大竹しのぶ、ともさかりえ
 これは、挫折した元オリンピック・スプリンター選手候補の青年が、盲目のスプリンターの女子高生と出会い、彼女と二人でパラリンピックのスタートラインに立つまでの、心の葛藤と成長を描くヒューマンドラマです。

 オリンピックの陸上選手候補No.1だった青年・今井駿。最終予選で彼はまさかの転倒。自他共に予想外の番狂わせだった。以来、彼はフィールドから姿を消した。
 そんな折、駿はひとりの盲目の女子高生と出会った。「瞳」という皮肉な名前を持つ少女。印象的な出会いではあったが、二度と会うことはないだろうと思っていた。
 現役引退し、ぷらぷらしていた駿は、日本パラリンピック委員会から、盲目のランナーのパートナーになって欲しいと依頼される。
 パラリンピック競技のひとつ、盲目のスプリンターたちは、GUIDE(伴走者)と寄り添い一体となって走るのだが、そのGUIDEになって欲しいとの依頼。
 オリンピック選手候補だったプライドを捨てられない駿は、その依頼を断る。
 しかし、数ヵ月後、彼は、障害者たちのフィールドに姿を現した。なぜ? それは、自分が余命いくばくも無い身体だと知ったからだった…。
 盲目のスプリンターとGUIDEは、心が通じ合っていないと一緒に走り切ることはできない。
 心と心で会話をし、手と手を紐で固く結び合って駆け抜ける。そう、小指と小指が赤い糸で結ばれているかのように、二人の身体と心は一本の紐で固く結ばれているのである。健常者と障害者が一体となってGOALを目指す競技なのである。

 次のパラリンピックまで精一杯生き抜こうとする駿。
 駿と瞳の強く切ない人間愛、恋愛。
 駿と母親の親子愛。
 駿と車椅子青年・桐野との障害者と健常者の壁を越えた友情愛。
 瞳を支える響子との姉妹愛。
 生まれながらに障害を抱えた少年との人間愛。
 様々な愛の形が織り込まれてゆく。

 これは健常者と障害者の壁を越えた、「生きる」ドラマです。
 パラリンピックのスタートラインに立った時、
 それは、障害者にとっても健常者にとっても、
 人生の新たなスタートとなるであろう…。


▽今井駿 … 山田孝之
 実際走る練習は3日間しかしていませんが、速く見えるような表情で頑張ってスプリンターのように見せたいです。

Q.役作りのために注意していること、勉強したこと
 ストリー上、余命わずかな役ですが、今までの作品でも経験したことがない設定なので、どういう気持ちになるのか考えてもわからず一番悩みました。限りある命ということを初めて考える機会が持てたので良かったです。

Q.実際に障害スポーツ選手に触れてみて
 今まで接する機会がありませんでしたが自分に置き換えて考えてみると、生きていけないほど落ち込み、立ち直れないのではないかと思います。みなさんはス ポーツをやることによって私よりイキイキしていらっしゃるように見えるので、私も頑張って生きなければいけないと思います。

▽水嶋瞳 … 鈴木杏
 私は走ることはあまり得意ではないですが、スパイクを履き、ブロックを使うと速くなったような気がします。孝之くんとは3度目の共演になるので、二人で息を合わせる所はとてもスムーズにいっています。

Q.走ること以外での役作りの苦労
 彼女自身とても複雑な事情で視力をなくしているので、その影響はどれくらいあるのだろうと考えていました。台本を読み現場に入ってみると、少し屈折した 所はありますがとても強い子で、駿と出会いスタートラインを知り、彼女の強さが全面的に走ることに向かっていく変化をうまく伝えることができたらいいなと 思います。

Q.役作りのために注意していること、勉強したこと
 太陽の光が強すぎるとどうしてもまばたきの回数が増えたり、目がしばしばと反応してしまいます。演じてみてこれは大きな壁だと思いました。瞳は太陽の光に反応することはないので、太陽の光は大きな敵です。

Q.実際に障害スポーツ選手に触れてみて
 以前にも見えない、聞こえない、話せないという三重苦の女の子を演じたことがあります。どうしても障害者の方を特別視してしまいがちですが、本人には障 害があることが日常になっています。その中で自分ができることや興味があることを見つけたり、見つけられずもがいたり、わからなかったりすることは普通に 生活している若い人にも当てはまることですので、何も特別視せず、近く演じられればと再度感じています。

▽桐野龍二 … 時任三郎
 車椅子バスケを初めて経験しましたが、意外と激しく、かなりぶつかり合いがあり、思っていた以上にハードなスポーツだなという印象でした。今回二人の助け合う姿を堪能していただければと思います。

Q.役作りのために注意していること、勉強したこと
 激しいスポーツなので学ぶべきことがたくさんあり、短時間では雰囲気を全て出せませんが、みなさんの前向きで明るい生き方を重視し、役に反映させていきたいと思います。

Q.実際に障害スポーツ選手に触れてみて
 私の3人の子供たちだけを見ても、一人一人生まれた瞬間から個性があり、歩き出すタイミングも喋り出すタイミングも違います。そういう能力の差が最初か らあります。先天的か後天的かいろいろとあるでしょうが、ラインを引くのではなく、それぞれ違いはありますが、どうすればお互い助け合いながら生きていけ るかという見方をした方がいいのではないかとすごく感じました。桐野はやたらと障害者と健常者にこだわったセリフが多いのですが、この作品に参加して、単 純に線引きするのは違うな、実際はあまりこだわらなくてもいいのではないかなと感じました。

▽水嶋響子 … ともさかりえ
 私は瞳の姉で、パラリンピック委員会で働き、駿と瞳がアテネのパラリンピックのスタートラインに立つきっかけを作る女性を演じます。前半はかなり説明的 なセリフが多くなっています。説明セリフは見ている方に届きづらい言葉が多かったりするのですが、気持ちを乗せて視聴者の方にうまく橋渡しができればと思 います。私は、昨日選手の方たちが走っている姿などを間近で拝見し、遠くから見ているとどこにどんな障害を抱えているのだろうと目を疑うほど美しく、空を 飛んでいるかのように駆け抜ける姿が印象的で感動しました。私が抱いた素直で、正直な気持ちが見ている方にも伝わればいいなと思います。

Q.役作りのために注意していること、勉強したこと
 私は一緒にお芝居する役者さんに同調してしまうクセがありますが、響子にとってパラリンピックの存在は日常であり、もはや同情などを超越したものになっています。ゆるがず、響子の信念をきちんと守りながらお芝居をしたいと思います。

Q.実際に障害スポーツ選手に触れてみて
 私が見た美しいフォームやみなさんのイキイキと輝く表情は、私が想像し得ない、理解できない何かを乗り越えた結果だと思います。当たり前に生きていくこ とが難しくなっていますが、障害者、健常者ではなく、お互いに助け合い、支え合える素敵な世の中になればいいなとこの作品に参加して改めて感じました。見 ている方にも、身近にある当たり前の幸せを再認識していただきたいと思います。

▽土橋伸宏 … 須賀健太
 僕は義足をつけて撮影することに挑戦しました。義足をつけて生活している人を見た時にはそれほど苦しそうに歩いておらず、大変じゃないのかなと思ってい ました。でも、実際に自分で義足をつけて歩いてみて、義足での生活は大変だと思いました。たくさん練習をして上手くなったと思いますので、そこにも少し注 目して見ていただきたいです。よろしくお願いします。

Q.役作りのために注意していること、勉強したこと
 義足をつけていても、勇気を持った役を表現することが大変でした。

Q.実際に障害スポーツ選手に触れてみて
 今までも障害者の方の生活は大変だと思っていましたが、自分で義足をつけてみると今までより大変さがわかり、応援したいと思うようになりました。

▽今井道代 … 大竹しのぶ
 原作を読み、本当に純粋に涙が出てきました。この役を演じられてすごくうれしいです。若い二人が助け合う姿が美しいですし、基本にあるスタートラインと いう言葉が本当に好きです。今、若い人たちは何をしていいのかわからず、スタートラインに立つことすらできない人もいる中で、一生懸命生きる姿を多くの人 に見ていただきたいと感じました。クランクインの前日に瞳が空を見上げて泣いているラストシーンの夢を見ましたが、涙がすごくきれいで雪の結晶みたいにな り、若いっていいなと思いました。頑張りますのでよろしくお願いします。

Q.役作りのために注意していること、勉強したこと
 息子が病気のことを打ち明けてくれず、それを知ったときの苦しみがすごく難しく思います。駿がいなくなった後も、駿が残してくれたものを抱いて強く明るく生きていくような母親を演じたいです。

Q.実際に障害スポーツ選手に触れてみて
 今日初めてお会いしましたが、イキイキした表情がかっこよく、自分が情けない、頑張らなくてはと思いました。

▽佐藤真海
 アテネパラリンピック走り幅跳び日本代表
 私は健太くんの役のように小児ガンで片足を切断しました。その時はすごいショックでしたが、スポーツというものにすごく救われました。その中でも世界最 高峰のパラリンピックに魅了され、夢を持つことで、私は輝けるようになりました。そのパラリンピックの素晴らしさをみなさんに伝えたいという思いは常々あ りましたが、こうしてドラマになりうれしく思っています。このドラマで感じることはたくさんあると思いますので、一人でも多くの障害者や一般の方に見てい ただきたいですし、ぜひ楽しみにしていただきたいです。

▽鈴木徹
 シドニー、アテネパラリンピック走り高跳び日本代表。義足選手としては日本初のプロ選手
 エキストラとして初めて参加させていただきました。実際の試合では自分の出番が決まっていますが、ドラマのエキストラはすぐ跳んでくださいと言われる事 が多く、良い経験になりました。作品は障害者スポーツを前面に出しており、一般の方に本当にいい影響を及ぼすとともに、義足の可能性をもっと伝えていきた いと思います。

(2005年9月21日 記者発表より