Yamada Takayuki News - 山田孝之

Saturday, February 11, 2006

冬の連ドラ どれがお薦め? 記者座談会(下)

 混戦模様の今冬ドラマを制したのは脱力系「時効警察」! zipzap編集部ならではの結果でしょうか。いささか気恥ずかしさを覚えながらも、冬の連ドラ初回試写記者座談会、後半をお届けします。

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「時効警察」が堂々の1位

  「時効警察」が1位。当然だ。僕は実は★4個をつけた! すべてのシーンでウケを狙おうという作り手の志がうれしいし、それがまた見事にキマってる。

  「旗」さんもそう思います? 時効事件を捜査するという設定自体が無意味な上、筋書きと関係ない無意味な細部にトコトンこだわるところがいい。

  支局で先輩の僕を差し置いて! でも、笑いを誘う絶妙な間が面白く、一気に引き付けられた。岩松了ら脇役陣も興味深い。特段ふざけているわけでもないのに、ここまで笑えるドラマに仕上げた演出家の腕にうなりました。


堂々1位に輝いたのは、ゆるゆる警察官・霧山(オダギリジョー(右))が時効事件を趣味で解決する「時効警察」

  あー、「普通じゃん」とか言ってた「久」さん、ちゃっかり星3個!

  ムキーー! でも、一番次が見たいと思ったのが、これだったの!

  ふせえり、緋田康人の2人がいるだけで深夜番組「竹中直人の恋のバカンス」(テレビ朝日)の空気を感じたのは、私だけ?

  つまり、バラエティーノリってこと? さて3位は「小早川伸木の恋」。

  共感できるなあ。気がつけばおれは孤独だったって感じる主人公に。紺野まひる、かわいいなあ。出会ってすぐ寂しさを即座に理解してくれ、癒やしてくれるなんて……男の願望!

  ヒステリーな妻を演じる片瀬那奈、権力を振りかざす古谷一行のキャラクターの力の強さも重層的な手応えを感じさせる。伸木が紺野演じる盆栽教室の女性にひかれる過程も説得力を持ち、物語に破綻(はたん)がない。

  個人的に恋愛ものは非現実的な感じがして「けっ!」と思っていたが、久しぶりに見たくなった。

  ひがむな、「負け犬」男! しかし、片瀬の妻が怖い。あのホラーテイストが続くのなら面白いが、要はただの不倫ものでしょ?

  片瀬はやばい。でも、人々を動物に例えるのって、面白くない。だけど、動物園の「孤独な管理人」って、妻子に見放された私のことかと思った……。

  やばいのは君! 「白夜行」は子役が奮闘。

  演技が丁寧で、誠実な感じがして安定感抜群。

  山田孝之、綾瀬はるかの子供時代の描写がうまく、なぜ2人が父母を殺すに至ったかを丁寧に描いている。山田、綾瀬の青春ドラマコンビが心の深部を表現する大人の演技を、どこまで出来るか期待したい。

  んー、まあ、武田鉄矢の刑事は秀逸かな。腹の底で何を考えているのか分からないところがいい。それより 「ナースあおい」は拾い物だった。杉田かおるの存在感が良かった。やっぱりあの方は女優。バラエティー出て、自らをおとしめるマネしないでいいのに。それ ともあれが演技?

  ヒロインの一生懸命さは伝わるが、最初から突っ走り過ぎるとワンパターンに見えてこないか心配。

  同感。個人的には薄っぺらな笑いを張り付けた西村雅彦のファン。

  「輪舞曲 ロンド」は前半のアクションシーンに引き込まれ、胸躍らせたが、中盤、初回の難しさで説明が多いのが残念。

  映像、凝り過ぎ。

  どんなに走っても汗一つかかない竹野内豊にリアリティーを感じない。

  言葉の通じない者同士のコミュニケーションという仕掛けは面白かった。

  話題先行で中身はありがち。あ、やっぱ、主演はチェ・ジウだったな。

 一同 激しく同感!

新鮮味ない「ガチバカ!」

  「ガチバカ!」は「ごくせん」と「金八先生」を足して2で割ったみたい。新鮮味がない。

  「荒廃教室風景」って、どうしてああも同じなのでしょう。没個性。

  ……高橋克典の熱血先生ぶりは「特命係長」に重なり、その意味では面白い。でも、今期は、各局がカラーを鮮明に打ち出しているし、ジャンルもバランスよく配置されている。

  とはいえ、12本中、原作ものが8本。失敗を恐れず、自分も視聴者も楽しめる作品を制作してほしい。

  僕、同感です。

  抜け駆けするなよ。

 ――いかがでしたか。異論反論お持ちしてます!

2006年2月2日 読売新聞